ネット出願のメールのトラブル
先週にGmailの迷惑メール対策の件でメール原稿を書いたわけですが、早々に神奈川県の公立高校入試のネット出願で登録にGmailのアドレスが使えない不具合が大問題となりました。
直接に関係しているわけではありませんが、メールサーバー設定関連では非常にタイムリーな話題です。
9日にネット出願システムの問題が発覚。その後、19日に県教育委員会が記者会見で不具合の解消を発表しました。
原因について「登録に大量のGメールが利用されたことでGメール側のシステムに制限がかかった」と説明されたことから、経緯を見守ってきた有識者からは非常に不誠実ではないかと指摘されています。
端的に言えば、設定不備がある状態で大量のメール送信が発生したため、gmail側がスパム判定したのだと推測されます。
それを教育委員会がgmail側の問題のように報告したためですね。
技術面でご興味ある方は、経緯をsuzuki.ryo氏がまとめておられました記事が参考になると思います。
Gmailで問題が生じる神奈川県立高校ネット出願システムの被疑箇所を調査、改善策を検討してみた
https://dev.classmethod.jp/articles/shutsugankanagawa-failure-report/
また、これから設定しなければという方向けに、DMARC関連の記事をご紹介しておきます。
DMARCをなめるな
https://creators.bengo4.com/entry/2024/01/22/080000
大量メール送信に関するノウハウも、いろいろあるわけですが、いきなり送信量を一気に増やすのは悪手とされています。
またバウンスメールの処理がおかしいと受信側からブロックされます。
また送信者のIPレピュテーションが低い状態だと到達率が悪くなることありますが、迷惑メール送信者もIPアドレスを分散して送るように対策してきているため、対策を求められているSPF/DKIM/DMARCの送信者ドメイン認証などが重要になってきます。
私自身もこの辺りの最近の事情には疎いので、以前の常識と変わっているところも多々あるかと思いますが、DNS、メール周辺の設定に関しては各段に難易度が上がっています。
各種申し込みでgmailアカウントの利用を制限するのも現実的ではないため、2月以降にもいろいろと細かい事故は起こるのではと思いますが、この一件はタイミング的にも他山の石と捉えていただければと思います。