キャリアパスへの不安感
先日、ガートナー社のハイプ・サイクルをご紹介しましたが、最近の調査結果で面白そうなものとしては「IT運用担当者はキャリア・パスに不安を抱えている」といったものです。
Gartner、IT運用担当者はキャリア・パスに不安を抱えているとの調査結果を発表(2023-9-14)
https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20230914
システム運用担当者の半分以上がキャリア・パスに不安を抱えており、その理由のトップスリーが新しい技術に触れる機会が少ない他のIT部門と比較して昇給・昇進が遅い重責だが待遇が悪い、評価されない
運用担当者といっても、アラートをプロキシーするだけのオペレータから、構築~トラブルシュートまでを行うエンジニアまで様々ですが、確かに現場によってはキツイ仕事と言えるでしょう。
リリースの締切に追われる開発チームとは別に、いつ呼び出しを受けるか分からないストレス、時間のプレッシャーの中でのトラブルシュート、夜間作業を含んだシフト勤務など、システム運用の勤務条件は時として厳しいものがあります。また、他の水道・電気・交通機関のようなインフラと同様に「動いていてあたりまえ」を維持する裏方の地味な仕事でもあります。
また「新しい技術が身につかない」点が挙げられているのも注意が必要でしょう。ただでさえ技術の移り変わりの激しいIT業界で、ひたすら同じ環境を操作しているだけとなると、技術の陳腐化とともに自身の市場価値が下がる事を意味します。
このようなキャリアの不安感への処方箋としては、「短期的には、例えば業務の効率化や信頼性向上を運用の自動化によって実現するなど、日々の改善活動で新技術を習得でき、他部門から評価されるよう仕事の形態を変化させる取り組みを進めることが求められます。」とあります。
システム面、業務面の効率化を推進するとともに、新しいチャレンジが出来るような機会を作れないと、担当者が離れてしまうことにつながりかねません。