「豆腐」という構成管理ツール
システムの保守・運用の業務において、以前はサーバーやネットワーク機器などをデータセンターのラックに収め、ケーブルを配線していくといったスキルが必要でした。放熱効率を考えた配置やケーブルをうまくまとめるかなどのノウハウが必要でした。
最近では皆さんもご存じの通りで、クラウドサービスへの移行が進んできました。
クラウドサービスでは仮想化技術が進み、環境構築にかかる時間が大幅に短縮できるようになりました。
これは単に物理的な機器を管理しなくて良いというにとどまらず、Iac(Infrastructure as Code)といった概念です。
各種のノードの構成、セキュリティー設定などを設定ファイルとしてコードで記述することで、インフラを自動的に構築できるようになりました。
物理機を持たず、かつ比較的短時間にシステムが構築できるというのは、例えば予備環境や検証環境などを必要に応じて作成・削除できることを意味します。これは大きなメリットです。
IaCに関してはクラウドサービス各社がそれぞれ独自にサービスを展開しているとともに、TerraformやAnsibleなどのサードパーティー製のツールも多く利用されています。
人気のIaCツール Terraformの開発元のHashiCorp社は2023年8月、MPL2.0のオープンソースライセンスで提供していた同社製品のライセンスを、BSL1.1に変更すると発表しました。
これは商用利用に制限があるライセンスです。
HashiCorp、全製品のライセンスを商用利用に制限があるBSLライセンスに変更すると発表
このライセンス変更に反発し、ライセンス変更前のTerraformをフォークしたプロジェクトが9月初旬に立ち上がり、このプロジェクトの名前が「豆腐」となりました。「OpenTofu」です。
もともとは「OpenTF」としていましたが、ライセンスに抵触するリスクがあるとのことでリブランドしたわけです。
名前を検討している githubのissueを読んでみると、いろいろと提案がありましたが、
・シンプルで読みやすい
・Terraformの拡張子 .tf と親和性が高い
という事でOpenTofuと決まったようです。またコマンド名も 「tofu」 となる模様です。
日本人目線では、なかなか面白いですね。