デジタルスキル標準の発表
慢性的な技術者不足の昨今ですが、昨年末(2022年12月)に経産省とIPAが「DX推進スキル標準」を発表しました。
これは専門性をもって具体的にDXを推進する人材が必要とされるスキルセットや役割の標準を定めたフレームワークです。
「デジタルスキル標準」をとりまとめました!(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221221002/20221221002.html
デジタルスキル標準(DSS) (IPA)
https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/index.html
デジタルスキル標準(DSS)は2種類で構成されます。
・DXリテラシー標準(DSS-L) 全てのビジネスパーソンが身につけるべき能力・スキルの標準
・DX推進スキル標準(DSS-P) DXを推進する人材の役割や習得すべきスキルの標準
DX推進の中心的役割を果たす人材類型を、以下の5つに定義。
1.ビジネスアーキテクト、2.デザイナー、3.データサイエンティスト、
4.ソフトウェアエンジニア、5.サイバーセキュリティ
これを「ビジネスアーキテクト」「サイバーセキュリティーエンジニア」など、さらに15のロールに区分します。
共通スキルセットで49項目のスキル項目が定義され、それぞれのロールごとに必要とされるスキル項目の重要度を4段階で示しています。
それぞれのスキル項目に関しては、内容と必要とされる学習項目例が提示されています。
また、これらのスキルセット標準は知識・スキル構成の枠組みを示しただけのものですので、人材育成の観点からはそれぞれのスキル項目の教育プログラムとセットになっている必要があります。
先に発表されているDXリテラシー標準では、全ての社員のコンセンサスとして持つべきスキル項目をWhy, What, How, マインド・スタンスのカテゴリーに分けて提示されておりますが、これもシステムエンジニア以外の方々への「この位は知っておかないと」レベルの教育の方向感として利用できると思います。
これらの標準により、自社のDXに必要とされる人材・スキルが明確になり、人材採用や育成。
また個人の立場ではステップアップのために必要なスキルを認識するための補助線になることが期待されます。
業界で普及すればジョブ型雇用のベースに活かせそうですし、マネージャーにとっても技術者の評価基準などにも取り入れられるところもありそうです。