「形式主義」と「実質主義」
”「運用エンジニア」と「運用オペレータ」とは全く違う”といったネットの投稿を見るにつけ、言葉の意味するところにもよりますが、まあ、おおむね同意なのです。
この2つの大きな違いといえば、スキルレベルの差ももちろんのこと、スタンスの違いもあるとも思います。
パッと思い浮かんだのは「形式主義」と「実質主義」という言葉。
辞書的な意味では、次のように記載されています。
・形式主義:一般に事物の内容よりも形式を重んずる立場
・実質主義:形式にとらわれず、実際の内容を重んじる考え方
戦略や業務遂行の方法・手順が決まっており、実行部隊としてはそれらを全うして、結果を報告する立場が「運用オペレータ」にあたるかと。
実行部隊は、与えられたミッションをいかに正確に遂行できるかが焦点になります。
責任の分界点の話もあり、判断が入ると、そこに責任が発生しますからね。
インフラ運用では「形式主義」の仕事は多いです。
もちろん、「形式主義」が悪というわけではなく、確認時の「指差し確認」のように事故を防ぐためのノウハウを手順に落とし込んで励行させるというのは、立派な生活の知恵と思います。
「エンジニア」の仕事に関しては、形式主義的な側面は持ちつつも、目的達成のために本来、どうあるべきかを逆算したうえで、今、どのようにふるまうべきかを考えるスタンスの方がより重要視されるのではないでしょうか。
そして、作業そのものの合理化や改善という観点では、「実質主義」の視点が求められます。
「前例主義」「形式主義」をひっくり返して、より合理的な手順を組み立てるスタンスは実質主義での思考が必要となります。
同じ結果・成果が得られるなら、より楽な方、安い方、簡単な方法を考え出す力こそがビジネスの現場で求められます。これが出来るチーム・組織は強いですよね。
言い換えれば、悪い意味での「形式主義」、自分たちで何かを変えようとしない。
他人まかせで自発性が無い。どうしたら変えられるかの想像力や突破しようとする
意気込みも無いというのは危険な兆候です。