運用管理に向いているDMAICフレームワーク
こんにちは。フィックスポイントの冨です。
業務改善のフレームワークとしては「PDCAサイクル」「ECRS」などが有名ですが、課題解決・改善のフレームワークとして「DMAIC」をご紹介したいと思います。品質改善のシックスシグマ活動におけるプロセス改善手順なのですが、現場主導の日常的な小さい業務改善よりは、ERPやRPAなどの導入、運用管理など、改善プロジェクトとして立ち上げる規模感でそれらを運営するための骨組みとなる考え方です。
「DMAIC」は各段階の以下の単語の頭文字です。
Define:定義
・課題を定義し、改善プロジェクトで取り組み方を明確化します。
課題の背景やプロジェクトの目標、スコープ、メンバー、改善指標などを明確にして実行計画を立てます。成果物としては課題定義書、プロジェクトロジック(進め方)、スケジュールを作成してキックオフします。
Measure: 測定
・データと事実で問題の悪さ加減を測り、大まかに問題プロセスを特定する。
業務のプロセスをプロセスマップなどで図式化し、どこのプロセスで問題が起きているかを分析します。
測定が難しい業務についてはスキップしますが、システム運用関連は比較的定量化が容易な業務でしょう。
Analyze : 分析
・問題の構造を明らかにし、重要要因を特定する。そして解決の方向性を決める。
ロジックツリーやパレート図などを駆使して仮説検証を繰り返し、問題発生のメカニズムを洗い出し、この原因を解消すればプロセスが改善できる、という事を明確にします。この段階で「なぜなぜ分析」を活用して、少数重要要素を見つけます。
Improve:改善
・具体的な改善案を抽出・評価し、改善案を決定する。改善策のリスク評価を行い精度を上げる。
原因を潰した改善後のプロセスを設計し、リスク評価や改善策に必要な投資判断などを行います。
いわゆる、現状の”As Is”プロセスから、あるべき姿 ”To Beプロセス”を策定してきます。
Control:管理・定着
・改善を確実に実行し成果を上げる。定着させるための仕組みづくりを行う。
改善策を実施して新たな問題が発生したり、従前の慣れている方式に戻らないように、業務が定着するためのプロセスです。手順書の作成、KPI設定、担当者への教育などが挙げられます。
PDCAの産みの親デミング博士の金言 『定義できないものは管理できない。 管理できないものは測定できない。 測定できないものは改善できない』 の通りですが、改善活動は正解が無いので行き当たりばったりになりがちです。フレームワークがあると進め方の共通認識が出来るので、進捗管理もやりやすくなるでしょう。