お勧め本「システム運用アンチパターン」
こんにちは。フィックスポイントの冨です。
システム運用に関係する方の間で話題になっている本「システム運用のアンチパターン」ですが、早速Amazonの「システム管理・監査」カテゴリで1位になっています。
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119847/
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4873119847/
アンチパターン=問題への対応・解決策の類型のうち、避けるべき悪い典型例ということで、さまざまなトラブルが分類されて紹介されているわけです。サブタイトル「エンジニアがDevOpsで解決する組織・自動化・コミュニケーション」にあるように、DevOps的な観点からそれぞれのアンチパターンごとにに処方箋が書かれています。
ソフトウェア・システムの開発・運用が滞るさまざまなダメな業務のパターンについて記載されています。オライリーの紹介ページにある通り、ある程度、場数を踏んだエンジニアの方であれば、目次を見ただけでも様々な思いが去来するであろうテーマが取り上げられています。何重もの承認プロセス、必要な情報のないログ出力、意味の読み取りにくいダッシュボード、ノイズだらけアラートなど。自分も各章の苦労話を読んでいるうちに、思い当たる過去のインシデントが思い出されます。
それぞれの技術・業務上の課題について、具体的なアクションを期待する向きも多いですが、その背景には企業文化が影響を与えているという示唆も含まれています。そして企業文化が行動に与える影響については、第11章の「命じられた文化」に詳しく解説されています。企業の文化規範が組織にとっての「あたりまえ」を生み出し、それが様々な改善活動の妨げになりえるというわけです。そして「組織の文化を変える」という大きな課題への取り組みについては、組織の文化・価値観を分析し、チーム内のコミュニケーション方法や習慣を変えていくという改善アプローチにつながるわけです。
問題を起こしがちなシステムは構成も運用も複雑に入り組んでいることが多いため、アンチパターンへの処方も特効薬にはならないとは思います。そうであっても、同じ轍を踏まないように反面教師のストーリーから学べることは多いと思います。
翻訳者の田中さんによる内容紹介のNote記事もありますので、ご興味が出てきた方はご参考までです。
https://note.com/yuichielectric/n/n45b907b9dd93