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Column

2022/02/16

インフラ維持と式年遷宮

こんにちは。フィックスポイントの冨です。

諸外国と比較した我が国内での情報システム開発・運用は、外部ベンダーに委託する事が多いのが特徴です。これは労働関連法規により、人員の動的な配置が柔軟に行えないという事にも起因します。人員を大勢抱え込むよりも、必要な時に外部に委託する方が経済的には理にかなっているわけですね。

かつての汎用機の時代では、システムそのものも高価かつ独自仕様のものが多かったため、ベンダーロックインが問題になりました。最近ではシステムのあり方がオープン化の方向に向かい、ハードウェア、ミドルウェア、開発環境、APIを通じたシステム連携など、特定のベンダーへの依存度は下げられるようになってきました。

一部では、昨今のDXの流れからの内製への回帰の動きもあり、開発・運用の主導権をユーザー企業側に取り戻そうという流れもみられます。デジタル庁をめぐる報道をみても、今後の行政システムの調達に関しては、ベンダーロックインを避ける方向性が示唆されています。

この流れの延長線上には、いままでベンダーに業務整理や文書管理などを依存してきたものが、自社で主体的に管理する必要が出てきます。つまり、何かわからない事が出てきたら「ベンダーに聞けばいい」といったスタンスが許されなくなるわけです。

さて、話を表題の「式年遷宮」に移しますが、これは神宮において定期的に新しい社殿を作り、大御神をうつりいただく儀式です。伊勢神宮での20年に一度の式年遷宮が有名です。
https://www.isejingu.or.jp/sengu/aboutsengu.html

遷宮が定期的に行われるようになった由来については諸説あるようですが、「唯一神明造という建築技術や御装束神宝などの調度品を現在に伝えることができ」とあるように、結果的に、伝統的な建築様式や製法を現在まで受け継ぐことができました。
飛鳥時代の 690年から現代まで約1300年、62回の遷宮が行われてきました。古くからの神宮が遺跡として残されているのではなく、現在も引き続き作り変えられることは驚異的でさえあります。
この技術伝承の詳細については、国土交通省のサイトが参考になります。
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h25/hakusho/h26/html/n1233c20.html

前回の遷宮を経験した技術者の一部を常勤として残し、次回の遷宮の際には新しく雇い入れた大工などの技能教育を行うという流れです。作業ピークに向けた弾力的な雇用と中核的な技能者による技術伝承を両立したわけです。

ITインフラに関しても技術者の採用が難しい時代になりましたが、技術の陳腐化や業務の見直しなどにより一定期間で更新が必要になります。インフラの維持管理において、この1300年もの長きに渡って受け継がれてきた仕組みを参考に出来るところもあるのではないでしょうか。

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