業務の自動化は入り口にすぎない
こんにちは。フィックスポイントの冨です。
先週、弊社のオンラインイベント”OpsSummit 2021″を開催いたしました。大勢の方々のご視聴いただきまして、ありがとうございました。
セキュリティー、DXの振り返りから日常の業務の改善まで、様々なトピックに関してお話いただきました。皆様のお仕事の参考になれば何よりです。
IT部門には求められる技術動向やレベル感も変わり、また業務の効率化に加えて事業モデルの根幹部分も担うようになってきました。一方でIT部門主導ではなく、ユーザー部門自身によるシステム導入の流れも進み、昨今のRPAブームからノーコード・ローコードソリューションへとつながっています。現場レベルの業務改善はIT部門によらず、現場で進められる素地が整ってきたとも言えます。
ITプロジェクトも、事前にビジネスケースが描ける業務効率化を目的としたものから、先が見通せない未来の仕組み作りに変わってきています。いわゆるデジタイゼーション/デジタライゼーションのプロジェクトから、DXが目指すところのIT による事業変革 が増えていると感じます。IT部門に求められるものが変わってきているわけですね。
私自身がコンサルに入っていた某物流大手の社長が、「新しいサービスは現場にヒアリングして要件定義なんて出来っこないのだから、IT部門側でいろいろ仮説を立てて、さっさと作りなさい」と指示を出されていたのが印象的でした。プロジェクトメンバーは現場の要件をシステムに落とし込む仕事のやり方に関しては長けていましたが、自分たちであるべき製品・サービスを企画して組み上げていくといった進め方については苦手意識が強かったのですね。これは私も意外でした。
つまりはIT部門といえども、世の中でどのようなサービスが求められているかを察知・創造する、マーケティング思考が求められていると言えます。 スマートフォンが流行り出した初期のころ、iPhoneを分解した国内メーカーが「それぞれの技術は自分たちも持っていたのに、なぜこれが作れなかったのか」と嘆いたというエピソードがありましたが、逆に技術を知っているからこそ発想出来る製品・サービスもあると思うのですよね。
”DX”というキーワードも使い古されてくると思いますが、このトレンド自体は変わらないでしょう。IT部門の仕事が忙しくなる昨今、作業の自動化による効率化は最初の入り口で、マーケティング思考をもって業務改革に着手できるようにしなければなりません。マーク・アンドリーセンの”software is eating the world(ソフトウェアが世界を飲み込んでいる)”が、今まさに進行しているのですから