省エネモードのエンジニア
こんにちは。フィックスポイントの冨です。
部下や同僚、取引先のエンジニアのモチベーションを計るシグナルの一つとして「決めてください。従います」といったニュアンスの発言があると、ちょっと警戒しています。逆にこのような意見をミーティングの場などで行った経験は無いでしょうか。
これはどのような感情があるかというと、上司・リーダーを見限っていて、特に製品やプロジェクトなどを改善していこうという自主的なモチベーションは無くしている状況です。自分に意思決定の責任がかぶさってこないように配慮しつつ、たんたんと自分の作業のみをこなしていこうというモードに入っているわけですね。決してサボっているわけではないのですが、「言われた通りに動くから指示してくれ」という受け身状態です。何か問題が起こったら指示側の責任にしたいというわけですね。
もちろん仕事を請ける側の保身術として、きっちり議事録を残すなどは普通に行われるわけですが、プロジェクトに寄り添う気持ちがある段階では、「先を見据えてより良い提案をしていこう。」「危ないところは回避できるように前もって対策しておこう。」というスタンスを取ると思います。
ただマネージャーやステークホルダーが聞く耳を持たない、言っても全然理解されない、何を言っても潰されるといった事が続くと、あえて口出しするよりは受け身にまわった方が良いと考えるわけです。改善するためのエネルギーが無駄になるとわかると省エネモードで動くようになるわけですね。
こうなるとエンジニアには見えているリスクがあったとしても、それは共有されずにプロジェクトは進みます。ITの開発プロジェクトであれば納品基準さえクリアできれば、稼働後に問題が起ころうと関係ないし、万一、トラブルが発生したとしても自分のせいにならなければOKというわけです。
もし上記のような受け身モードの発言が出てきた場合には、プロジェクトが健全に進んでいない可能性があります。人間関係性もからんでくるので決して簡単に解決出来る話でもないわけですが、開発にせよ保守にせよ、作業しているエンジニアは相当のストレスを貯めた結果ですから、早めに手をうつべきでしょう。