2022/08/17
ガートナー社の2022年の新興技術ハイプ・サイクル
お盆休みのシーズンも終わりまして、そろそろ夏の暑さも峠を過ぎたかなという頃です。最近のトピックとしては、毎年恒例のガートナー社の新興技術ハイプ・サイクルの発表がありました。本稿の執筆時点では日本語翻訳がまだ公開されていないようですので、USのオリジナルのリンクを付けてあります。
同社のハイプサイクルは、さまざまな新興技術に対する普及度合いや注目度などを評価し、各テクノロジーが黎明期(Innovation Trigger)、「過度な期待」のピーク期(Peak of Inflated Expectations)、幻滅期(Trough of Disillusionment)、啓発期(Slope of Enlightenment)、生産性の安定期(Plateau of Productivity)に達するタイミングを示しています。あるテクノロジーが黎明期から安定期に入るまで、2~10年の幅があるとされています。
今回は大きなテーマとして、1,没入感の拡張、2.AIを用いた自動化の加速、3.技術者の最適配置を挙げ、25の知っておくべきイノベーションを提示しています。
グラフを見てみますと、最近のバズワード “Web3″がピーク期に差し掛かり、関連技術のNFT、分散型アイデンティティーは幻滅期に突入です。メタバースも黎明期で普及に10年以上かかるとの見立て。
企画や開発にかかわる方々であれば、次のAI関連技術は気になるところでしょう。つい最近もテキストによる指示で画像を自動で生成するAIや、これまでに登録されたコードを学習して関連しそうなコードで自動で補完するIDEなどが話題になりました。著作権などを含めた権利関連の問題も残りますが、非常に興味深い技術です。
そして情シス、運用担当者は”技術者の最適配置”に興味があるのでは無いでしょうか。”データの可観測性”、”動的リスクガバナンス”、”オープンテレメトリー”、”プラットフォーム・エンジニアリング”などのキーワードが挙げられています。
ただ抽象度が高めのキーワードに関しては、正直、ピンと来ないものも個人的には幾つかあります。
技術の展開に数年~10年かかるという事で、ちょうど10年前、2012年のハイプ・サイクルを見てみましょう。
(本家にアーカイブが見当たらないので、メディア記事をリンクしました。)
黎明期にある”IoT”は一時期ブームとなり、”自律走行車”、”量子コンピューティング”あたりは、ようやく花開きつつある領域と思います。ピーク期に近い”ワイヤレス送電”、”ハイブリッド・クラウド・コンピューティング”、”HTML5″あたりは、いまでは当たり前のように使われているのは興味深いところです。今年のハイプ・サイクルにある”デジタル・ヒューマン”、”メタバース”も2030年くらいの当たり前になっているかもしれません。