2022/08/31
DXの落とし穴
先週、「バックオフィスDXPO」というイベントに行って、いろいろとお話を伺ってきました。バックオフィスの”DX”というのも少々違和感あったのですが、人事の採用・スタッフ管理、財務経理の伝票処理、契約書評価、事務作業のRPAでの自動化など、多くの業務の効率化・自動化を支援する展示や発表があったわけです。
知人の業務改善コンサルの方にこのことをお話した所、ビジネスモデルそのものの刷新を行う「ビジネスモデル改革型DX」の他に、サービスはそのままで提供までのロジスティクスや生産過程を改革する「ビジネスプロセス改革型」のDXという考え方があるということでした。
DXのプロジェクトを進める際の課題などを尋ねてみましたところ、取り掛かりに至るまでの社内の抵抗勢力との調整と、一通り、新プロセスや新システム導入後の「定着」の段階で課題が多いそうです。
開発 ー 導入 ー 定着 を経て、ようやくビジネス的な成果が出てくるわけですが、「導入」がゴールになって「定着=運用」を軽視したプロジェクトでは、プロセスやシステムを刷新したものの現場がついてこなくて、結局は使われないというケースも少なくないと。
例えば、新しいシステムを導入して効率アップと期待していたら、現場にヒアリングしたところ、「新システムが使いにくいため、別途にExcelで処理している。効率化どころか二度手間になり、むしろ作業が増えて迷惑している」といった現場もあったそうです。また、処理フローが新旧併存することになり、管理が面倒になったケースなども。
移行に失敗するきっかけとしては、要件定義の失敗、使いにくいUI、教育不足など様々ですが、プロセス改善も新システムも、使い倒してこそ効果を実感できるものですので、「定着」までを意識した導入・移行・運用設計をプロジェクトの初期から意識してください。