2022/08/24
業務自動化への展望
ITコンサルティングのITR社が、8/18にホワイトペーパー『業務自動化に向けた国内企業の現状と展望』を発行しました。
主に年商500億円以上の国内大企業に勤める部長職以上の役職者を対象としてアンケート調査結果の分析など、全19ページと比較的読みやすいボリュームとなっておりました。
DXにおける重要課題として「業務の自動化」を挙げる方が45%と上位であり、人事/給与、IT/エンジニアリング、財務会計などの、多くのバックオフィス業務の自動化が進められています。多くの企業が課題の考えているのは「自社固有のプロセスで実行されている一般業務の自動化」との事でした。自社のコアコンピタンスに直接にかかわる部分であれば、「買ってきて終わり」に出来ないところですので、ROIも含め、判断が難しい領域とお察しします。
これらの業務自動化を推進する上での課題は、適用業務範囲によらず「業務の変化に即座に対応出来ないことがある」(21~27%)がトップ。そのほかも自動化ツールの安定性や拡張性に起因する不満が挙げられています。
このような背景から、どのように業務自動化を進めていくかという方針について、業務規模やツールにもよりますが、アプリケーションの仕様変更の影響を受けにくいAPI連携の活用を軸として組み立てるのが良いと提言されています。また局所的にUI操作が必要な業務に関してはRPAを取り入れるのがベスト・プラクティスになるとの展望です。
以前にレガシーシステムの延命の際にもAPIが作れる環境であればデータ保存や処理系として温存し、フロント周りや分析系はモダンな環境を用意して連携させるのが良いのではとセミナーをやった事がありましたが、同様にAPI利用の連携は理にかなっていると思います。ETLツールだけでもかなりの業務自動化が出来ているといった事例などもありました。言い換えれば、UI操作の自動化ですと、バージョンアップに伴う画面構成の変更などで動作が安定しなくなるケースや、エンドユーザーコンピューティングのレベルで業務最適化を図ると、中長期的な保守で苦しむといった懸念が指摘されるようになっていると私は理解しています。
もちろんITツールも所詮道具ですので適材適所で採用いただくのが良いわけですが、自動化周辺の技術トレンドや、対象業務を運営している既存システムの性能などを考慮して着手いただくのが肝要かと。弊社も自動化ツールベンダーですので、何かお困りな点がございましたら、お声がけ頂ければと思います。