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Column

2021/01/27

「クソどうでもいい仕事」を考える

こんにちは。フィックスポイントの冨です。

NHK教育に「100分で名著」という番組があります。
名著を毎週30分の4回で紹介するという番組なのですが、
その時々の社会課題を背景に、著作のエッセンスを読み解くという好企画です。

 

今月の名著はマルクスの「資本論」なのですが、
先週のタイトルが「クソどうでもいい仕事」というNHKっぽくないタイトルで驚きました。
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/105_sihonron/index.html

 

技術革新により人々の暮らしは楽になり、快適で充実した生活を送れるはずが、
むしろ労働者の負担はますます増えるばかり。
作業している本人も仕事の意義が分からないという「クソどうでもいい仕事“Bullshit job”」がますます増える一方です。
システム運用業界で「トイル」と呼ばれる作業も、これに含まれるでしょう。

 

産業革命以降、急激に生産性は向上したものの、人の仕事は楽にならず、むしろ苦痛に満ちたものになってきたのはナゼか?
「資本論」では、これを仕事の「構想」と「実行」に分離して、
「実行」にあたる単純労働のみを労働者に押し付けるという、過酷な状況が構造的に生じているからと説きます。

 

「どのようなモノを作るか」、「どんなサービスを提供するか」などの「構想」部分を切り離し、
生産性を向上させるために仕事が細分化され、プロセスの一部のみを担うのが仕事になった結果、
ヒトは機械の付属品のような立ち位置に押し込まれ、労働者は主体性を無くしてしまうというわけです。
古くはチャップリンのモダン・タイムスでも提示されたテーマでもあります。

 

これを見て連想したのは、システム運用現場の仕事のスタイルでした。
(人それぞれではありますが)オペレーターの人が比較的受け身のスタンスで、
決まった手順書に従って作業するというのは、
「クソどうでもいい仕事」では無いにせよ、「実行」だけを担っているわけです。
この辺に運用仕事のツラさの一端があるように思えました。

 

番組で紹介された改善の道筋とは、構想と実行の「統一」で労働の内容を豊かにするという事でした。
つまり元々の仕事の意味・目的に対して全体を見まわし、主体的に取り組める余地を増やすという事です。

 

定型作業を自動化して運用エンジニアをトイルから解放し、
スキルアップにつながる時間の余裕の確保や、
より創造性が求められる仕事に取り組めるようにしましょうという、
自動化に向けた弊社のメッセージも、仕事の「構想」の部分を取り戻そうという動きにつながると思います。

 

個人的には政治性を感じてなんとなく避けていたマルクスでしたが、
こんな読み解き方もあるのだと興味深かったです。

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