IPAよりDX白書2023
2/9になりますが、IPAよりDX白書2023が発表されました。
2022年の6~7月に日米企業アンケートを行った結果分析や、取り組みの最新動向などがまとめられています。
https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/dx-2023.html
”DX”というキーワードが話題になったのは、2018年9月の”DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~”あたりからと5年目に突入。崖から落ちるまであと2、3年というところまで迫ってきました。これまで多くの媒体・プロジェクトで”DX”が議論されてきました。
白書のサブタイトル”進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」”が内容を物語っています。業務へのデジタル導入、いわゆる”デジタイゼーション”、”デジタライゼーション”の領域では成果が見られるものの、ビジネスモデルの変革、デジタル利用の顧客価値の創出という”トランスフォーメーション”の領域では遅れているという結果。
企業アンケート調査で日米で大きく差がついているのは、「新規製品・サービスの創出」「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」では、日本企業は”十分な”、”ある程度の”成果が出ている企業あわせて20%台に対して、米国は60%以上。人材も「充足している」が日本では約10.9%に対して米国は73.4%。推進する人物像の設定についても大きく差がついており、ジョブ型・メンバーシップ型の雇用形態の差にしても、必要な人材の確保以前に、ロールの定義が出来ていないことがうかがえます。利用している技術スタックも、クラウド利用やコンテナ運用など、比較的モダンな技術の採用において大きな違いがみられます。
そもそもDXが叫ばれるようになったのは、GAFAをはじめとする海外大手デジタル企業のサービスの進出で、国内の競争力の想定的劣後への危機感で、それらに対抗するにはビジネスモデルの転換を含めたデジタル導入やレガシー保守に多くの人材を割くことを余儀なくされている状況からの脱却を図るというものでしたが、実態はむしろ差がついているような結果になっています。
メインフレームや”PC98”時代はかなりデジタルに適応できていたはずが、インターネット時代以降に大きく差が開いた要因に関しては、”モノづくり”への偏重、ソフトウェアの軽視、外注メインのIT産業構造など、いろいろな議論があります。ChatGPTに聞いてみますと「意思決定の遅さや情報共有の不足、現場と経営層の意識のズレなどが、DXの進展を阻む要因となっています。」と、組織的な課題を指摘してきました。このように考えている人が多いのでしょうね。