「運用設計の教科書」の改訂版が出ます
ソフト開発やシステム構築と比較して、なかなかシステム運用に関する書籍はまだまだ少ないのが現状で、「運用設計の教科書」はシステム運用の業務に関して網羅的に記載されている貴重な本でした。
特に「運用業務が初めて」といった方々には、お勧めしていたのですが、この本の改訂版が出ました。
初版が2019年でしたので、4年ぶりの改訂となります。
https://gihyo.jp/book/2023/978-4-297-13657-4
この原稿を書いている時点では、まだ発売されたばかりで読み切れていないのですが、あちこちと手が入っているようです。著者の近藤誠司さんによる変更点の説明記事がありますので、初版をお持ちの方は参考にされると良いのではと思います。全体的に3割程度の改訂が入っているそうです。
https://note.com/sekondo/n/n619e402e1e3b
運用に関するフレームワークと言えば ITILがあるわけですが、同書はより管理業務の実務寄りの内容になっています。長らく運用業務に携わっている方にとっては物足りなさを感じるところもあるかもしれませんが、初心者の方が具体的な業務イメージを持つには良い学習教材になると思います。
あえて言えば、監視やログ管理、バックアップなどの技術面での解説が少ない印象がありますが、具体的なツールの利用ノウハウなどについては別のリファレンスを参照してください。
システム運用に関しては、各社それぞれの業務がありますので、この本に記載されていることが全ての正解というわけではありませんが、業務の設計・見直しに際しては、参考となるケーススタディーとして通用する内容となっています。運用設計に関して基礎から学び直したいシステム管理者には特にお勧めの内容と思います。