Kompira

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ユーザー
インタビュー

User Interview

ユーザー

株式会社ブロードバンドタワー

導入時期

2020年7月~

属人化した電話エスカレーション作業や監視設定作業を自動化、 品質向上と工数削減を可能に

株式会社ブロードバンドタワー様

ブロードバンドタワー様は独自のノウハウに基づく24時間365日の監視・運用対応で、オンサイトからクラウドまで場所に依存しないサービスを提供されていらっしゃいます。
積極的なDX化を推進されており、経済産業省が定める「DX認定事業者」にも認定されています。
本プロジェクトはSMSデータテックとフィックスポイントの共同プロジェクトとなっており、SDT Kompira※からZabbixへアクションをおこし、監視設定の変更やお客様へのメール送信、Kompira Pigeonを利用した架電の自動化を実施。今回はこちらの自動化についてお話をお伺いしました。
※Kompira EnterpriseをOEMとして利用したSMSデータテックの自動化サービス。
・サービス名
Monitoring Service Plus
・サービスURL
https://www.bbtower.co.jp/product-service/msp/

  • サービスマネージメントグループ
    シニアディレクター
    弓田佳樹様

  • サービスマネージメントグループ リーダー
    青山 尚暉様

  • サービスマネージメントグループ マネージャー
    土屋 直樹様

  • サービスマネージメントグループ エキスパート
    若生 悠太様

解決
したかったこと

属人化と手作業による作業のひっ迫を無くしたかった

御社にとっての課題はどのようなことでしたか?

若生:一番の大きな課題は、監視システムの設定変更作業は基本的に全て手作業で行っていたところだと思います。それなりに工数がかかるため、メンバーが常にこの作業に追われている状態になっていました。この作業に慣れているメンバーだけで作業が完結してしまっていたため、業務が手順化されておらず、属人化していたところも問題でした。
新しいメンバーが入っても業務習得にかなり時間がかかってしまっていたり、対応に個人差が出てしまうことがありました。

また自動電話に関しては、こちらも手作業だったということに加えて、他部門と連携して作業する必要がありました。そのため部門間連携に時間がかかってしまうことが課題になっていました。

お客様側の課題はありましたか?

若生:お客様側の課題は二つありました。まずサービス提供にあたって、お客様向けのZabbixのUIを提供していましたが、Zabbixを知らないお客様からするとそもそも使い方が分からず、適切に設定が出来ない状況がありました。
もう一つの課題としては、監視設定変更の依頼をExcelの申し込み用紙に記載頂いて、サポ―ト宛てにご連絡頂くといった形で提供しておりましたが、依頼書の記載方法がわからないといった声を頂いていたり、記載方法が間違っていたりしていることがありました。
その場合は何度かお客様とやり取りを行った上で監視設定をしていたので、対応の工数が高くなっていったという状況でした。

課題が顕在化したのはいつ頃からですか?

青山:何時からということではなく、ずっとそういう状態は続いていたと思います。

土屋::体制としてもともと工数がかかっていたところを、さらに切り詰めてやっていたというのが実情でした。基本的に設定変更作業等で業務が常にひっ迫しており、手作業という要因がさらに工数を高めていました。

弓田:設定依頼の確認作業も手作業で行っていたので、確認漏れがあって実際には監視がされていなかったという課題もありました。
今回の自動化でお客様側も、弊社側も作業工数を削減することができたと感じています。

Kompira
選択の理由

現状の運用フローそのままに、工数削減ができる製品

改めて、自動化された業務を教えて下さい。

若生:自動化された業務は大きく6つほどありまして、基本的に手作業でやっていた大半の部分が自動化されています。
1つめは監視の新規設定作業や解約作業等、
2つめは監視対象のサーバ側へのエージェント初期導入設定、
3つめはアラート発生時の復旧対応、
4つめはアラート発生時のお客様への電話対応、
5つめはアラート通知先の設定、
6つめは自動電話の音声設定です。
自動電話の音声ファイルもこれまで自分たちで作っていたので、ここも自動化された対象になります。

どうやって自動化対象を絞りましたか?

若生:これまで監視の設定作業に工数が割かれすぎていて、他の業務を圧迫する状況が長く続いていましたので、まずここの業務の洗い出しから始めました。その中で自動化するべき部分をピックアップして、お願いしたという形になります。

Kompiraを知った経緯と、他社サービスとの比較検討について教えて下さい

若生:Kompiraに関しては2019年のInteropに参加者として来場した際に、こういった自動化サービスがあることを知ってコンタクトさせて頂きました。
他の監視サービスや自動化ツールの調査はしましたが、サービス形態の不一致や正式導入が容易にできるサービスがなかなか見つからず、また弊社のコスト感と一致しないというところがありました。

土屋:製品の検討期間は2019年の7月~12月くらいまでだったと記憶しています。比較としてはサービスレベルの比較ではなく、各機能レベルでの比較というところで検討を進めていました。
今回ご協力いただいたSMSデータテックさんやフィックスポイントさんのサービスがベストマッチだったので、導入に至りました。

サービス導入にあたり、重視されたことは何でしたか?

土屋:既存の運用と同じことが出来ないと、そもそもサービスとして成り立たないと考えていました。今使っていただいているユーザー様も新しいサービスに移行して頂く必要があるので、既存のサービスと同じものが提供できるかどうかという点が重要視されていたことです。
その上で、我々の工数がかかっていたところと、お客様からの「自分たち側で閾値のパーセンテージの設定をやりたい」といったようなご要望を実現できるのかどうかを見ました。
既存の運用を変えず、且つお客様の方でもいろいろな設定変更ができることと、内部での工数が下がるという三つの観点で導入を進めてきました。

Kompira Pigeonに関するご感想を教えて下さい。

土屋:Kompira Pigeonを選ぶ前は他社製品といくつか比較しましたが、他の製品は日本語読みと英字の読みが機械的な声で、実際に夜にたたき起こされて電話を聞いたとき、これは聞き取れないかもしれないと思いました。
それに比べてKompira Pigeonは非常になめらかに読んでくれましたね。
また、現サービスでは別製品をつかって自動電話はしていましたが、こちらは音声ファイルを他部門と連携して作成し実装する必要がありました。英語で案件名を入れたときに呼んで欲しい通りには呼んでくれず、聞き取りづらいという問題がありました。
その場合は伸ばし棒を入れたり濁点を入れたりして、読まれる間隔を調整するという作業を逐一していましたが、Kompira Pigeonではその作業が必要ありませんでした。
お客様に聞いて頂くことが一番の目的だったので、読み上げ部分のなめらかさは非常に重要でした。

導入の効果

チームの工数削減と同時にお客様の要望に応えられた

期待した効果は得られましたか?

若生:今回の自動化で、これまでずっとZabbixに精通したエンジニアが手作業で対応していたところを、最低限の手順を理解した担当者が設定ファイルをインポートしたり、画面にならって操作していくだけで設定変更ができるようになったので、業務改善につながりました。
今まで作業できる人が限られていたところを、複数人で平行して作業できるようになったということもあり、納品にかかる時間が大きく削減されました。

土屋:既に社内ではZabbixで電流値の監視をしているケースを本サービスに切り替えてご利用いただいています。
従来のZabbixでは基盤の管理、設定手順がブラックボックス化するという課題がありましたが、このサービスに切り替え運用を外部(MSPチーム)に出すことによって、課題が解消したことが非常に大きな効果だったと思います。
また今回の構成では、我々のチーム内でZabbixを2台立ており、これをKompiraで集約し冗長構成を取るという自動化を行いました。
今既存で動いているサービスがアクティブスタンバイの構成をとっていて、片方がダウンした際に片方に切り替わるという作りになっているのですが、ここのZabbixのアップデートができないという問題がありました。
そこにKompiraを導入して自動化したことによって、片方ずつメンテナンスができるようになり、なお且つ日中時間帯にダウンタイムがあってもお客様側にインパクトなく作業ができるようになりました。

作業が集中していた人の心理的負担も軽減されましたか?

弓田:間違いなく作業者の心理的負担は減ったと思います。

若生:そうですね、やはり手作業でやるとかなり神経をすり減らして、それに集中して作業しないといけないので、もちろんそれは導入後も変わらないですが、自動化によって心理的負担は減ったと思います。

弓田:設定変更をお客様側にして頂くことによって双方にメリットが生まれました。お客様も楽になりますし、我々も人的ミスや工数が軽減されました。

プロジェクトの体制や開発期間について教えて下さい。

若生:プロジェクト責任者、PM、PL、SSO連携周りの担当者、基盤周りはサービス周りの担当者3名で、計7名の体制でした。
開発開始は2020年1月から、現在も絶賛追加開発中(2022年3月時点)で動いています。

運用自動化のプロジェクトについて、ご感想をお聞かせ下さい。

青山:もともと我々は開発経験のない部隊で、自動化のノウハウ等もなかったので、どうやって開発を進めていくのか分からない状態でした。
SMSデータテックさんやフィックスポイントさんがこういった案件を多く手掛けているということは事前に聞いていたので、そこは安心して開発依頼ができました。
また、我々が思っていることを言葉にして伝えることは難しく、開発をする際に何が必要か、自分たちでは答えが出ないものもありました。ですがSMSデータテックさんやフィックスポイントさん側から必要なものをリスト化してご提案頂いたり、画面配置等についてはここをもっと右側にとか、実際の画面を見ながら意向を汲み取って頂けたので、とても助かりました。
導入後もシステムの挙動や仕様についての問い合わせに対して、真摯に調査したりご回答頂いていますので、たいへん丁寧なサポートであると感じています。

今回初めて開発に携わって如何でしたか?

土屋:外部のベンダーさんと一緒に進めていくというのは弊社内の意識も変わってくる部分ではあると思うので、開発部隊と運用部隊をしっかり分けて各セクション毎で対応していくという組織図が必要だということが、今回の開発を通して見直しできました。
今後の開発もSMSデータテックさんフィックスポイントさんと一緒に協議しながら実装していければと思っています。