“指示はハッキリと命令的に”
オリンピックも始まり、様々な選手の活躍が報じられるなか、日本では気温が非常に高い日が続くとか。
ついに40℃を超える場所も出てきたとの事で、熱中症にはくれぐれもお気をつけください。
さて話は変わって、マニュアルやガイドラインを読んでいると気になっているのが「あいまい表現」。
ビジネスや行政の世界で、日本語のドキュメントに頻繁に登場します。
これらは、一見柔軟性を持たせているように見えますが、実際には多くの問題を引き起こす可能性があります。
「~等」「定期的に」「適切に」「原則」「必要に応じて」
これらの表現は、具体的な指示や期限を避けることで、読み手に解釈の余地を与えてしまいます。この「柔軟性」が逆効果となることも少なくありません。
– 解釈の違い: 「適切に」という表現は、人によって解釈が異なる可能性があります。
– 責任の所在の不明確さ: 「~等」という表現は、具体的な範囲を示さないため、責任の所在が不明確になります。
– 実行の遅れ: 「定期的に」という表現は、具体的な期間を示さないため、行動の遅れを招く可能性があります。
以前、救急車に同乗した際に車内で見た標語に
“指示はハッキリと命令的に”
というのがありました。時間との闘いの現場では「あいまい表現」は文字通りの命取りになります。
あいまいさを避ける場合に、よく引き合いに出されるのが海外のドキュメントの表記で、より具体的な表現が用いられる傾向があります。
「30日以内に」「1年に1回」
行動の期限や頻度を明確にし、誤解を減らすのに役立ちます。
もともと「察する」文化から言い切り型の表現を避ける傾向や、例外事項への配慮などから「あいまい表現」を残してしまう場合も多く、根深い問題です。
– 具体的な数値や期限の設定: 可能な限り、具体的な数値や期限を示す。
– 補足説明の追加: あいまい表現を使う場合は、その理由や解釈の範囲を補足説明する。
より明確で誤解の少ないコミュニケーションを目指すことは、ビジネスの効率化や事故防止につながるでしょう。