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インタビュー

User Interview

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興安計装株式会社

導入時期

2022年~

ITSMツール×Kompiraシリーズで運用の工数を削減。
増加する案件に自動化でスピーディに対応。

興安計装株式会社様

興安計装様はプラントのメンテナンスを行う計装技術サービス、在宅医療機器に組み込む電子基板の設計・開発/製造・修理等を行うヘルスケア技術サービスをはじめ、『Owlook(アウルック)』というMSPサービスの提供をされております。
今回は『Owlook』のサービスにて行った一次保守対応や架電の自動化などのシステム運用自動化についてお話をお聞きしました。

  • 第1事業部 ICT技術サービス部門 
    Owlookサービス部 部長
    正岡 康洋様

解決
したかったこと

増える業務にスピード感を持って対応するには

御社が抱えていた課題は何ですか?

正岡:当社は24時間有人体制で運用監視を行っています。
24時間途切れることなく稼働しなければいけないシステムが増え、それに伴い当社の24時間体制のサービスも徐々に拡大しておりました。

そこに対して、自社でシステムの監視状態やオペレータの対応状況がリアルタイムで確認できるポータルサイトの開発や、オペレータの効率化やミス削減のためのオペレータ支援システム「Owlookオペレーションシステム(O2S)」を開発し、独自の自動化に取り組んできました。
しかし自社開発であるため独自の仕様により拡張スピードがどうしても遅くなってしまい、迅速な課題対応が難しい状況にありました。

さらに、お客様側で監視サーバを立てられている場合は、お客様ごとにカスタマイズをしなければいけない部分があり、こちらも対応しきれなくなっていました。
このように、なるべく稼働を増やさないように独自で改善をしておりましたが、結果的には増員して対応している状況になっていました。

 

Kompiraの選定理由は何ですか?

正岡:継続的な改善ができる柔軟なツールであること、また開発支援もしっかりしてもらえる点が導入の決め手になりました。
また、フィックスポイントさんには自動化コンサルティングをしていただき、我々の業務に適した自動化のやり方やツールをしっかり相談できた点も決め手の1つです。

自動化について

ITSMツールの導入とKompiraの連携で保守対応を自動化

自動化した業務を教えて下さい。

正岡:当社はMSPサービスである『Owlook』を展開しており、このサービスの業務の一部を自動化しました。
具体的には、アラート検知時の各案件への振り分け、お客様への電話やメール通知、機器情報確認などの一次保守対応を自動化しています。
またITSMツールと連携した自動インシデント起票や、その後の対応結果の自動更新も行いました。

これまで体制としては4チーム2交代、昼と夜で交代していました。
オペレータは電話対応に稼働がかかっており、お客様に連絡がつかない場合は長時間の対応になることもあります。また、大量のアラートが出た際にはアラート数に比例して架電数も増えていました。
今回、この架電業務が自動化したことで大幅な稼働削減になりました。

 
 

自動化の体制について教えて下さい。

正岡:プロジェクトの立ち上がりメンバーは、私を含め5名です。
内4名がKompiraの研修を受けています。
2名は当社の開発部隊のメンバーから入っています。
彼らは以前から「O2S」の開発にも携わっていたため、自動化の知識は既に持っていました。
その他3名は『Owlook』のサービス運用に携わるメンバーです。

コンサルティング含め、プロジェクトにかかった期間を教えて下さい。

正岡:まず初めに3カ月間フィックスポイントさんに自動化コンサルティングをしていただきました。
そこで「どういった自動化をすればよいのか」「どういったツールを導入すればよいのか」といった課題の洗い出しを行い、自動化で得られる工数削減のイメージ作成をしてもらいました。
その後Kompiraの設計、要件定義、基本設計をしていただき、開発を含めて半年程度の期間でKompiraの構築を行いました。

また、業務や担当で使っているツールやプロセスがバラバラになっていたため、そこを統合管理するためのツールとして、フィックスポイントさんからITSMツールをご紹介いただきました。
こちらもKompiraの構築と並行し、半年かけてITSMツールの設計と構築を行っております。
コンサルティングの時点でおおよそのプロジェクト期間が伝えられており、開発段階で少々時間はかかったものの、おおむね予定通りにプロジェクトは完了しました。

導入の効果

コンサルティング結果を目標に

導入にあたり、効果の目標設定はありましたか?

正岡:“輪番体制から各チーム1名分の稼働削減”を最終的な効果の目標としました。
もともと増えていく人員を抑えなければならないという話は社内で出ており、今回のコンサルティングの結果から「どのくらいの期間で、どのくらい削減すべきか」といった具体的な目標を設定しました。
社内提案時には、人を減らしてコスト削減し売上を上げるには、今回輪番から4名分の工数が空くので、「削減された4名分の稼働でこういう売上があがります」という提案を行いました。

導入によって期待する効果は得られましたか?

正岡:各輪番4チームからの1名減という当初の目標は達成されました。
稼働が空いた輪番のメンバーを自動化のエンジニアとして充て、他の3名は別の業務に移っています。
また、副次的な効果として社内の業務の標準化や効率化への意識向上が挙げられます。
稼働が減り、各チームで品質改善の時間が取れるようになったので、品質向上への意識は高まりました。

ただ、目標としていた稼働削減の効果がそのまま出ているかというと、まだ目標数値に達していない部分もあります。
理由としては、実際に自動化を進めていく中でお客様業務の都合上、自動化が難しい部分が出てきたことが要因です。
また「自動化するのであればこういったところも対応してほしい」といったご要望により、プラスでカスタマイズが必要となり、想定より時間がかかっていることもあります。

 

プロジェクトで苦労した点を教えて下さい。

正岡:インシデントで管理していた項目がかなり多かったので、ITSMツールを導入し、項目の整理を行いました。
整理にあたり「項目をどう統廃合するのか」「削除してよい項目なのか」といった判断は非常に難しかった部分です。
また、自動化は作業をミスなく実行してくれるという利点があるものの、逆に言えば間違った設定をするとそのまま実行してしまうので、確認作業は特に時間をかけて丁寧に行いました。

項目の統廃合・削除には、お客様側に「本当にこの報告は必要ですか」と確認したり、担当者内で「これとこれは同じ項目だよね」と1つ1つヒアリングしたりしました。
結果的に項目数は1133項目から72項目にまで削減できました。
この作業は想定したよりも大変で、洗い出しと整理に2カ月以上かかりました。

 

プロジェクト遂行にあたり重要視したことは何ですか?

正岡:当社の社名にもある「計装」とは、あらゆる設備やシステムが常に100%のパフォーマンスを出せるような形で運用していくという考え方で、当社の使命はお客様の設備やシステムを安全・安心・快適に稼働させることです。
よって、運用の仕組みを作り上げて終わりというわけではなく、常に運用の改善を続けていくことが重要であると思っております。
継続的な改善の1つの手段として、「自動化」を取り入れることは我々の使命にマッチしていました。

当社では運用における達成目標の数値をかなり厳しめに設定しています。
常に改善意識を持っておかなければ、良いサービスを提供できないと考えているからです。
埋もれてしまうような改善の芽を洗い出すには、常に厳しめの目標を設定することで、気付きに繋がります。

現在は月に1回、定例で各チームから報告を共有する場があり、目標が達成できていない場合はなぜできていないのか、うまくいった部分はどういった対応したのかを発表してもらっています。改善のやり方自体も各チームで検討してもらい、意見交換しながら最終的な改善策を実施しています。

 

自動化の喜びや楽しみはどんなところですか?

正岡:担当から「自動化された作業と並行して別作業を進められるようになり、業務全体が効率的になりました」というような声もあり、嬉しく思いますし、新たな自動化へ取り組む際のモチベーションにも繋がっています。

現在は、システムで対応できる作業をシステムに任せられるため、ヒューマンエラーの防止と対応の迅速化を叶えることができました。
さらにオペレータによる保守・運用の対応も細やかになり、サービスの品質向上に繋がっています。

今後も、当社のお客様によりご満足いただける価値を提供できるよう、自動化含め、さらなるシステム運用の改善を進めていきます。
そうすることで、オペレータ業務を行っている社員を、より高い次元の活動ができるエンジニアへと育成し、質の高いサービスの提供を実現していきます。