こんにちは。フィックスポイントの冨です。
弊社のセミナーでは、既存のビジネスを維持するためシステム保守に、 全体リソースの80%近くを取られている現状を踏まえて、 定型業務を極力自動化して、空けたリソースで新しい技術や ビジネス開発への取り組みを進めていきましょうと呼び掛けています。
DXも掛け声ばかりではダメで、かなり本気で取り組んでいかないと 競争力低下に喘ぐことになります。
そんな中、5/14にIPAより興味深い調査報告が発表されました。
「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」
https://www.ipa.go.jp/ikc/reports/20200514_1.html
どちらかというと大企業の方が取り組みが進んでおり、 ビジネス創出よりは既存業務の効率化が進んでいるという事です。
取り組みが進んでいる企業では、IT業務に理解の深い役員の存在や、 リスクをとれる会社の文化、連携先とのWin-Win関係の模索などが、 その理由として挙げられています。
トップが危機感を持ち、それを実行できる人材を確保するという点が大きいようです。
DX推進プロジェクトの内容や進め方、課題等は事例も含めて興味深いのですが、 後半の「学び直し・人材流動」のセクションはいろいろと気になる所があります。
元々は、IT人材不足の傾向は続くものの「先端IT人材の不足の拡大と従来型IT人材の余剰」 の可能性の指摘が課題なのですが、 「先端IT従事者に比べて、非従事者はスキルアップに対する意欲が少なく、 時間も費用もかけていない」というアンケート結果です。
具体的には、「業務外ではほとんど勉強しない」従事者は26.2%に対して、 非従事者は51.6%と半分以上です。 勉強への投資金額や勉強時間も、おおむね3倍近い差があります。
この傾向は「現在と同じスキルが将来も通用する。陳腐化する事を特に心配していない」 という分析なのですが、キャリアプランとしても保守的・消極的で、 言い換えれば現場からのボトムアップで新しい技術に取り組んでいこうという 機運を作るのはかなり大変な事なのだなあとも読み取れます。
上記のIPAの資料は「ポイント」「概要編」もあるのですが、 「詳細編」も良くまとまっていますので、 特にマネージャクラスの方は是非ご一読をお勧めしますよ。