ITIL®(Information Technology Infrastructure Library)とは、ITSM(ITサービスマネージメント)の分野における成功事例を体系化したITシステムのライフサイクルマネジメントに関するドキュメント群です。また ISO/IEC 20000のベースになっています。2007年4月には日本でもJIS Q 20000として規格化されています。

最初のITIL®は、英国政府により関係政府機関にITを有効活用している先進企業を調査させ、ITサービスの運営方法論を整理していきました。その成果を1989年に40冊を超える書籍として発行されました。(ITIL® V1) その後の改訂で2004年にかけてV2が刊行されました。2007年5月にはITIL®V3の中核となる5冊の書籍が出版。 2011年にITIL® 2011 Editionが発行され、2019年には最新バージョンである ITIL®4の ITIL 4 Foundation の書籍が出版されました。

現在のITIL®は、ITSMの教科書的な存在となり、世界の多くの国の機関や企業において、ITIL®を取り入れた業務が行われています。

ITILの対象は、サービスの企画・構築・運用というシステムライフサイクルに沿って、以下のような5つのカテゴリーに分類されている。
（1）サービス・ストラテジ：ITサービスの戦略立案
（2）サービス・デザイン：ITサービスの設計や変更
（3）サービス・トランジション：ITサービスの立上げや、現在運用中のサービスから新しいサービスへの移行
（4）サービス・オペレーション：ITサービスの運用
（5）継続的なサービス改善：ITサービスの継続的な改善

※ ITIL（IT Infrastructure Library®）はAXELOS Limitedの登録商標です。